先日発表された大阪万博のロゴマークとその世間のリアクションに目を細めています。
5つの最終選考作品の中で明らかに異形なこのロゴ・通称「いのちの輝きくん」は、発表されるやいなや無数の感想というリアクションを引き起こして、AR作家から街のパン屋さんまで幅広すぎるクリエイターものづくり欲求を刺激してひと晩で数多の二次創作コンテンツを生み出している、ツッコマレビリティ抜群のロゴマークです。
さて、このロゴが生み出している愉快な話題に安堵してしまう感情があるのは、東京五輪のロゴマーク選定のときの騒動との比較があるからですよね。
東京のときと比べて大阪五輪のロゴマークは、、
・誰も傷ついて、傷つけていないのがよい
・世論(というかネット民)がポジティブに沸き立っているのがよい
・思想や教養やセンスなどによる分断が起きていないのがよい
・"デザインがわかってる"方々からの声が上から聞こえてこないのがよい
・作者が幼少期に実際に見た太陽の塔へのオマージュというベタないい話もは入っているのがよい
・新鮮で突飛な作品ながら実は該当作品受賞デザイナーひとりだけおじさんだったのがオーサカぽくてなんかよい
・受賞デザイナーさんのコメント「正直、ビックリしています。まさか万博の顔になるなんて思ってなかったので…」がまたよい
この大阪万博ロゴそのものの「何かよい」感覚を言語化するのは難しいのですが、それをしなければならないのが審査員の方々。
選考委員会の座長を務める安藤忠雄氏は、「今までのロゴマークは左右対称で安定している。このマークは変わっており、違う方向を向いて、それが何よりエネルギーになる」と評価。
作者「こいつはカワイイ」大阪・関西万博のロゴマークが決定 | Lmaga.jp
安定感の無さ。こういうルックスなので「なんか不安」「気味が悪い」という声も当然あるところを、審査委員長のコメントがあっさり肯定しているのがよいですね。
「デザインは問題解決」「アートは問題提起」と言われたりしますが、予定調和的にキレイにまとめようとしていない「いのちの輝きくん」は、大阪万博そのもののポジショニングの意思表明(今の段階だと意気込み?)でもあると解釈できてしまいます。
京都市民というのは元来ズルい立ち位置でして、「オーサカはオーサカ、うちは別。」と言うこともあるし「オール関西として盛り上げていきましょう!」と言うこともある。
もともと東京五輪を遠巻きに見ながら「挙国一致イベントで日本をまた元気に」「ワンチームジャパン」的なスローガンと時代とのズレに心底辟易していたあとだったので、大阪万博2025についても5段階評価のマイナス2くらいの期待感しかなかったところが、この新ロゴ「いのち輝きくん」にスカッとしたおかげて、プラス3くらいまで期待している単純な自分がいます。
それくらいロゴマークやシンボルマークの影響力は強いということでしょう。
何せ大阪万博のコンテンツ、まだ何も知らされていませんから😌
さて、大阪万博2025、こうして滑り出しは上々であるところからまだ5年もあるところをどうやって盛り上げていくのかとても楽しみですね。
大きな静的な箱モノ展示を5年後に花火的にドーン、じゃなくって、関西一円で小さな細胞が分裂・増殖しながら5年掛けて醸成していくような、そんな活動のリサーチ報告を「いのち輝く未来社会のデザイン」として5年後に世界に提案できるといいなあと切に思います。
テクノロジーとクリエイティブを愛する関西住民のひとりとして(←ずるい😎)
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