2023年はライフワークの表現と発信がたくさんできるようになった1年でした。もともとアウトプットの方を好む自分が、自分を取り戻せた心地がして、満たされた気持ちでいま、年末を迎えています。
・・・ということで、今回はニュースレターというよりはブログっぽい内容になります。最近購読を始めてくださった方への自己紹介と、未来の自分へのメッセージも兼ねて、自分の2023年の発信についてまとめます。
ニュースレター
2020年8月にこのニュースレター「晴耕雨読」を始めてからの配信ポスト数の推移です。
2020年 8本
2021年 4本
2022年 2本
2023年 24本
入江に浮かぶ小さな島のように、読者と繋がりながら静かに発信できる新しいメディアのあり方だ!と思ってニュースレターに飛びついたものの、発信をするために気の利いた主題をひねり出すことができず、しんどくなってきていた2022年。
そこで方針を変えて、主題は気にせず、直近で気になったニュース3〜5本につコメントを付ける形で、タイトルもこだわらずやろうというスタイルに変えたことで、発信がやりやすく、そして楽しくなったのが2月。
ちょうど、日本で(やっと)Substackが注目される(と言っても限定的な好事家だけですが😌)タイミングもあり、更新すれば購読者が少しずつ増えるのも目に見えてわかることも楽しく、このスタイルで発信頻度を増やすことができました。
もっとも反応が良かったのはこの号。
料理、サッカー、バンド、ヤサイ、など、「古参Webディレクター」という自分の専門性にこだわらない発信ができるようになったことも、ニュースレターを気軽に楽しめるようになった理由のひとつです。
声エッセイと偏愛ポッドキャスト
昨年末の自分が聞いたら最もびっくりする2023年の変化は、話すことに自信のなかった自分が、声での発信を意欲的にできるようになったこと。
その理由は、今年リリースされた京都発のポッドキャストサービス・LISTENです。
7月から始めた、晴耕雨読の弟番組、ポッドキャスト「吟」では36エピソード発信しました。
これらのエピソードは、「機材にこだわったパーソナリティーが耳障りの良いジングルと軽妙な語り口で巧みに話すポッドキャスト」とはだいぶんかけ離れたラフでカジュアルなものです。帰り道に自転車に乗りながらノイズまみれで喋ったようなものもあります。
このような極めてパーソナルな音声発信は、LISTENユーザーの中では「声日記」と呼ばれるようになりました。
自分の場合は、普段ふと考えたことや思いついたことを、声エッセイとして気軽に吹き込んで、LISTENでそっと放流しています。
🎧 キングダム70巻とドラマ・三体(テンセント版) - 吟日記其の二十五 - LISTEN
マンガとドラマのただの感想はニュースレターじゃなくて声エッセイで
自分のために声として記録すると、それが検索されない形で文字起こしにもなって、LISTENという小さなコミュニティーの中でささやかなフィードバックが得られる。そんな規模感なら、気負うことなく時間をかけずに発信することができるようになりました。
🎧 永遠に5人でバンドをやっていてほしかった - 吟日記其の十五
青春時代のミュージャンがなくなった哀しみの受け口としての声エッセイ
いろいろ試行錯誤した結果、Substackニュースレターではテーマ性のある「残る文章」を月イチくらいのペースでデスクに向かって書き(たまに喋り)、LISTENポッドキャストでは日記以上・ブログ未満の「声エッセイ」を自由な時間に自由な頻度で発信する、という棲み分けが作業時間的にも精神のバランス的にもちょうどよくなっています。
こちらはあえてニュースレターで配信した「ちゃんと時間をかけた」方の音声エピソードです。
もうひとつのポッドキャスト「いま、麺を食べています」は、ラーメンへの偏愛を音声で表現したある種のメディアアートのつもり。ラーメンのことを話し出すと止まらない自分の無駄な才能を昇華させるのは、ブログでも写真でも動画でもなく、肉声(と麺を啜る音)だった、ということに今さらながら気づいたのでした。
耳で楽しむラーメン・つけ麺・たまにうどん。 お店に入って、食べて、出るまでの間にお話します。
「作り込み」と「とってだし」
ニュースレターとポッドキャストに軸足を置くことにして以来、趣味のカメラで撮ったスナップ写真をニュースレターやに挿入したり、趣味のギターの「弾いてみた」をエピソードのイントロで使ってみたり。
テキストだけを駆使してブログとソーシャルメディアで発信していた2010年代よりも、日々の趣味と発信が境目なくつながるようになりました。
趣味だからこそタイパなど気にせずに自己満足ができるまでとことん作り込んで発信するのは性に合っているし、
声エッセイでは、作り込みやクオリティよりも、撮って出しのような生っぽさを楽しむことにも目覚めました。
裏で糸を引くAIの存在
LISTENのポッドキャストエピソードに音楽を入れよう!というモチベーションから、3年ぶりにギター弾きを再開したのですが、年末に登場した 楽曲生成AI suno.ai の衝撃によって、「弾いてみた」に飽き足らず、慣れない「オリジナル曲の演奏」への挑戦にまで発展するとは思ってもいませんでした。
chatGPTの助けを借りて作詞して、suno.ai に相談して生成した曲を自分で演奏し直しました。
🎸 LISTEN - In the universe of sound
思えば、LISTENはwhiper AI で文字起こしされるのが面白くて使い始め、今では毎日のように自分の音声の文字起こしを(ちまちま修正しながら)かわいがっているし、ニュースレターのちょっとした挿絵や画像はDALL-Eに相談しているし、ついにはギターやベースで弾くための曲をsuno.aiが用意してくれるようになっていて。気がつけばAIはそこにいるパートナーになっていますね。見事なまでに「仕事以外」で。
AIが人間(僕)の仕事を奪うことは今のところないものの、AIが介在する趣味が楽しくなりすぎて、仕事をする時間がありません😅
(文字起こしより)
AIが、特にこの生成AIですよね、去年末あたりから出てきた、生成AIは、やっぱり自分のライフサイクルに入っているなって、今改めて気づきました。
生成AI、僕個人的にはみなさんほどインパクトなかったです、ハマらなかったです、影響はなかったですって言おうとしていたのですが、実のところ、仕事ではなく趣味の方で気がついたら当たり前のように使っているから、自分は実はめっちゃAI活用している人だなって、気づきました。
でもこういうことですよね、テクノロジーが、技術が、生活というか、人の活動に組み込まれるっていうのは。
RSSみたいなもんですよ、強く意識はしてないけど、裏側を、それぞれの日々使っている、機能とか、サービスとか、遊びとか、AIが支えていて、仮にAIがないと、うまく繋がらないっていうような、そういう段階にAIが入ってきているところには入ってきているんだなっていうのは思いました。
仕事としごと
さて仕事。2023年は会社員としての経営企画の仕事と、Webディレクターとしてのweb3アプリ開発の活動に加えて、とあるローカルベンチャーの新規事業開発というミッションも増えました。
Wワークからトリプルワークになり、3つの(ほとんど)交わらない別々の役割にコミットしているのですが、最近、とあるポッドキャストにゲスト出演したことがきっかけで、自分の「はたらく動機」をこのように説明できるようになりました。
(文字起こしより編集)
2023年、今それがどう変わったかっていうのを自分に問うてみたんですけど、(若いときは盲目的にあこがれていた)「世界や人々の価値観を変えるような仕事」ではなく、これまでに人が、地域が、コミュニティが、育んできた素敵な価値観をなくさずに伝えていくもの、守るもの、またそれを分かりやすくしたり使いやすくしたり、かっこよくしたりすることに喜んで関わっていきたいなって思ってます。
会社員の副業なんて、いまどき珍しくない話ですが、キャリア人生も後半が始まっているこれからを、なぜはたらくか、どう世の中にかかわりたいか、という問いに対して、一貫した動機を持てていることはとても健康的ですよね。
それもこれも過去20年にわたって自分の考えをインターネットで表現してきた因果だと信じています。